こんにちは!今回から、「水分活性」に関する記事を連載していきます。
皆さんは「水分活性」というワードをご存知でしょうか?
水分活性はドライフルーツ・ドライベジタブルなどの「乾燥」に深く関わる重要ワードです。
第1回目はまず「食べ物が腐るメカニズム」について解説していきます!
果物も野菜も、常温で食べ物を置いておくと生ものはすぐに腐ってしまいますよね。
そもそも、食べ物が腐る原因は何でしょうか?
それは、ずばり微生物の増殖です。
そして、その微生物が増殖するには「栄養素」「適温」「適量の水」の3つの存在が不可欠です。
その中でも「適量の水」を一定以下にすることで微生物の動きを阻止し、食材の腐敗を防ぐ方法が「乾燥」になります。水分が足りないから、微生物は増殖を止め食べ物の腐敗を食い止められるんですね。
しかし、水分量が同じ、もしくは水分量が多いのに腐敗しにくい食品もあります。例えば、塩漬け(塩蔵法)/砂糖漬け(糖蔵法)にされているものがそれに当てはまります。これらの食品は微生物が繁殖しづらく、長く保存することが可能です。
上記の食品は水分が十分に残っているのに、微生物が増殖しないのはなぜでしょうか?
それは、微生物が利用できる水分が一定以下になっているからです。
乾燥法,塩蔵法,糖蔵法はいずれも,微生物が利用できる水分を除去(または制御)して食品を保存する方法ですが,乾燥法が「水分量そのもの」を減らす方法であるのに対し、塩蔵法と糖蔵法は水分量はそのままに保ちながら「微生物が利用できる水の量」を減らす方法になります。
「微生物が利用できる水分」とはいったいどういう水分になるのでしょうか?
次回は「自由水」と「結合水」について解説します!